スタート前の霧雨は落ち着いたものの、雨が完全に止むことはなく、曇り空と低気温によって路面が乾かないままで各車がグリッドに並ぶこととなりました。このため、スタートには全車がインターミディエイトタイヤを選択。マックス・フェルスタッペンはフロントローの2番手、ピエール・ガスリーが4番手、セルジオ・ペレスが6番手、角田裕毅は9番手からのスタートとなりました。
ターン1でフェルスタッペンが順位をキープする一方、ペレスは4番手までポジションアップ。ガスリーはペレスとフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に挟まれる形となって、外側にいたアロンソに接触。アロンソがスピンを喫し、ガスリーにはこの原因を作ったとして5秒のタイムペナルティーが科されました。
角田は順調なスタートを見せると、背後に迫るルイス・ハミルトン(メルセデス)を数周にわたって抑え続け、最終的にオーバーテイクを許したものの、見事なバトルを展開します。しかし、22周目にターン9でスピンを喫し、トップ10圏外へ順位を落としてしまいました。
2番手を走行していたフェルスタッペンは、タイヤをいたわりながらも、首位を走るバルテリ・ボッタス(メルセデス)との差を詰めようとしますが、なかなか近づけない展開に。しかし、後方のシャルル・ルクレール(フェラーリ)には大きく差を広げ、順位を盤石なものとします。
各車ともにドライタイヤで走行できるコンディションが訪れる可能性を考慮したことで、レースは膠着状態となり、フェルスタッペンが2番手、ペレスが4番手、ガスリーが6番手となったまま順位に変動が見られなくなってきます。その後、路面状況が改善する見込みがなくなると、ペースを上げたペレスでしたが、後方から迫ってくるハミルトンとサイド・バイ・サイドの争いになり、前を行かれても抜き返す力強い走りで順位を守ります。
角田は35周目にピットインして、再びインターミディエイトタイヤを装着。フェルスタッペンがその次の周、ペレスはさらにその翌周にインターミディエイトタイヤを履き替えます。ガスリーも39周目にピットへ入り、ペナルティーを消化した上でタイヤを替えて、6番手でレースへ復帰しました。
その後、タイヤを交換せずにフィニッシュまで走りきろうとするハミルトンとルクレールが、5番手にいたペレスの前方につけますが、終盤で両者ともにピットイン。ハミルトンはペレスの後方でコースに戻り、ペレスは目の前でレースに復帰したルクレールをターン12でオーバーテイクして3番手を手に入れます。
レースはこのままチェッカーフラッグを迎え、日本GP仕様の特別カラーリングで戦ったRed Bull Racingがダブル表彰台でフィニッシュ。ガスリーは6位となり、この6戦で4度目のトップ6フィニッシュを果たしました。
この結果、フェルスタッペンが再びドライバーズチャンピオンシップの首位に立ち、残り6戦時点で6ポイント差のリードとなりました。
次戦は2週間後の10月24日(日)決勝のアメリカGP。時差の関係で、日本では月曜日早朝のスタートとなります。