フェルスタッペンは2番グリッドスタートでしたが、ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が前日の予選で喫したクラッシュの影響で出走できず、先頭からのスタートとなりました。ターン1でバルテリ・ボッタス(メルセデス)を抑え込んでリードを確保したフェルスタッペンは、後続との差を徐々に広げ、ピットストップのタイミングを探りながらレースをコントロールしました。
Scuderia AlphaTauri Hondaのピエール・ガスリーは5番手、Red Bull Racingのセルジオ・ペレスは8番手で前方のセバスチャン・ベッテルをパスしようと攻めながらのレース序盤となりました。
16番手からスタートした角田裕毅は、スタート時にハードタイヤを装着し、前方で波乱が起こった際に前へ出られるよう、長いスティントを走行する戦略を採用しました。
ガスリーは30周目にピットストップ。後ろにいたルイス・ハミルトン(メルセデス)が1周前にピットへ入った動きに反応し、ハミルトンの前でコースへ復帰します。さらに遅くピットインしたセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がピットアウトでガスリーに並びかけ、カジノ・スクエアで前に出られますが、6番手をキープしてレースを進めます。
フェルスタッペンは34周目にピットインすると、コースに留まっていたペレスの後方の2番手でコースへ復帰。これで前が空く形となったペレスはペースを上げてリードを稼ぎ、ピットストップ後には4つポジションを上げて4番手でコースへ戻ります。
これで再び首位に立ったフェルスタッペンは、レースを完全にコントロールし、後方のカルロス・サインツ(フェラーリ)との差を計りながらチェッカーフラッグまで駆け抜けます。ペレスは3番手のランド・ノリス(マクラーレン)をパスするべくペースを上げましたが、オーバーテイクには至らず4位でフィニッシュ。Red Bull Racingは、フェルスタッペンの優勝とペレスの4位入賞で、合計37ポイントを獲得しました。
ガスリーも最終ラップまでベッテルにプレッシャーをかけ続け、6位入賞。角田は残り12周となるまでハードタイヤで走行を続けてソフトタイヤに交換しましたが、過去10年で2度目となるセーフティカー出動なしと展開に恵まれず、16位でチェッカーフラッグを受けました。
この勝利で、HondaとしてはF1通算80勝を達成。さらに、フェルスタッペンがドライバーズチャンピオンシップで、Red Bull Racingがコンストラクターズランキングで首位に立ちました。Hondaエンジン/PUのチャンピオンシップ首位は、1991年以来30年ぶりです。
次戦のアゼルバイジャンGPは、6月6日(日)決勝。今回と同じく市街地コースのバクーで開催されます。