前日の予選では全員がQ3進出を果たしたため、Q2でベストタイムを記録したタイヤでのスタートとなり、セルジオ・ペレス、ピエール・ガスリー、角田裕毅がソフトタイヤ、フェルスタッペンはミディアムを装着。ポールポジションのフェルスタッペンを先頭に、ペレスが4番手、ガスリーが6番手からのスタートとなる一方、角田はグリッド降格ペナルティーを受けたために11番グリッドとなりました。
スタートでは、フェルスタッペンがリードを守り、ペレスが3番手をかけてランド・ノリス(マクラーレン)と争う展開に。ガスリーはスタート直後のターン3へ向かうストレートで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)のフロントウイングによって左リアタイヤを傷つけられてパンクを喫し、これがマシンにダメージをもたらしたことから、1周目でのリタイアとなりました。Scuderia AlphaTauri Hondaは角田のみでのレースとなりましたが、角田は1周目で9番手までポジションアップを果たしました。
10周を終えて、ペレスがノリスを攻略して3番手に浮上。後続にはバルテリ・ボッタス(メルセデス)が迫ります。Red Bull Racingは、26周目にペレスをピットインさせ、ハードタイヤに交換しますが、作業でのタイムロスがあり、その次の周にピットインしたボッタスへ先行を許し、ペレスは4番手でレースを進めます。
角田もペレスと同じ周回でピットインし、ソフトタイヤからハードタイヤに交換。トップ10圏内でレースへ復帰し、最後までこのタイヤで走りきる戦略を採ります。
フェルスタッペンは、29周目にピットイン。その後、多くのトラフィックをかき分けながら、2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)との差を広げていきます。ペレスはボッタスの後方に迫るものの、オーバーテイクには至らず、残り17周でミディアムタイヤに交換して、ボッタスを追撃する戦略へと切り替えます。
タイヤ交換直後から、ペレスはファステストラップを記録しながらボッタスに迫ります。最終ラップ直前にピットインしたハミルトンにファステストラップを更新され、1ポイント獲得はなりませんでしたが、ボッタスを約0.5秒差まで猛追。パスするには至らなかったものの、4位でのフィニッシュとなりました。
角田は、ルクレールにパスを許したものの、終始フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)の背後に迫りながらレースを進め、10位でフィニッシュ。自身3度目の入賞を果たしました。
30秒以上の大差を築いたフェルスタッペンは、2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成。Hondaとしては通算83勝目で、2戦連続のポール・トゥ・ウインが1991年の日本GP・オーストラリアGP以来、4連勝は同じく1991年のアイルトン・セナ選手(アメリカ・ブラジル・サンマリノ・モナコ)以来となりました。
次戦は1週間後、3連戦の締めくくりとなるオーストリアGPで、今週と同じくレッドブル・リンクでの開催となります。