スプリント予選が行われたため、決勝のスタートタイヤは自由に選択できましたが、15番グリッドの角田裕毅がソフトタイヤを履いた以外は、全員がミディアムタイヤでのスタートとなりました。
スタートでは、2番グリッドのフェルスタッペンがターン1でバルテリ・ボッタス(メルセデス)を制して首位に立ちます。4番手からスタートしたセルジオ・ペレスは、ターン4でボッタスの前に出て、Red Bull Racing Hondaが1-2体制でレースをスタートします。
ピエール・ガスリーは、後方から追い上げてきたルイス・ハミルトン(メルセデス)に交わされ、オープニングラップで8番手に。角田も上位を目指しますが、ランス・ストロール(アストンマーティン)をパスしようとした際に接触してフロントウイングを失ったことで、ピットインしてウイングを交換するとともに、ハードタイヤに履き替えました。また、これによってコース上のデブリを除去しなければならず、セーフティカーが出動しました。
リスタート後、3番手のハミルトンは、フェルスタッペン、ペレスに迫り、プレッシャーをかけてきます。ペレスは巧みなライン取りで、18周目にはターン1で先行されながらも、ターン4で抜き返す見事なドライビングを見せるなど奮闘しましたが、その次の周でパスされて3番手に順位を落とします。
ガスリーは、前方のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)を交わして7番手に順位を上げると、ダメージによるものを除き、全ドライバーの中で最も早い25周目にピットイン。ハードタイヤに交換します。フェルスタッペンは、1周前にピットインしたハミルトンに反応する形で、27周目にハードタイヤに交換。ハミルトンの前でコースへ戻ります。ペレスはその次の28周目に同じくハードタイヤに交換しますが、その2周後にコース上へデブリがあったことでバーチャルセーフティカーが導入され、この間にタイムロスが少なくなる利点を活かしてピットインしたボッタスに3番手を奪われます。
フェルスタッペンの首位を守るため、Red Bull Racingは40周目と早めのタイミングで2度目のピットストップを敢行。再びハードタイヤを履き、メルセデス勢のアンダーカットを防御します。その2周後にペレスもタイヤを交換しました。好ペースを見せてトップ10圏内まで浮上していた角田裕毅は、ストロールとの接触の原因を作ったとして10秒加算のタイムペナルティーが科され、39周目のピットイン時にこれを消化。後方へと順位を落とします。
ガスリーは、51周目に2度目のピットインでハードタイヤに交換し、1ストップ作戦を採っていたアルピーヌの2台をパスすべく、プッシュしていきます。
フェルスタッペンは、後方から激しくプレッシャーをかけるハミルトンに対して抵抗を図り、素晴らしいバトルを繰り広げますが、59周目にパスを許し、2位でフィニッシュ。ドライバーズチャンピオンシップのリードを保ってレースを終えました。
ペレスは70周目にピットインしてソフトタイヤに交換し、最終周でファステストラップをマーク。4位でフィニッシュしました。これにより、コンストラクターズチャンピオンシップでは、Red Bull Racingが11ポイント差の2位となっています。また、ガスリーは、アルピーヌの2台を立て続けにオーバーテイクし、7位でフィニッシュ。コンストラクターズ5位のアルピーヌと同点のままで今大会を終えました。
次回は3連戦最後の戦いとなるカタールGP。F1初開催のロサイル・インターナショナル・サーキットで、11月20日に決勝が行われます。