記録から振り返るHonda F1 2020年シーズン
Hondaとして1991年以来最多の表彰台登壇回数を記録。コンストラクターズランキング2位は2004年以来
世界中に影響を与えた新型コロナウイルス感染拡大により、F1カレンダーも大幅な見直しを強いられ、7月から23週で17戦を開催する過密スケジュールのシーズンとなった2020年。Honda F1としては、Aston Martin Red Bull Racingが2勝、Scuderia AlphaTauri Hondaが1勝の計3勝を挙げ、これらを含む14回の表彰台登壇を果たしました。
Red Bull Racingはマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボン、Scuderia AlphaTauriがピエール・ガスリーとダニール・クビアトというドライバーラインアップで臨み、トップ5フィニッシュはのべ20回、ポイント獲得は41回を記録。
また、この過密日程の中でもHondaのF1パワーユニット「RA620H」を使用する4名のドライバーは、一度もPU関連ペナルティーを受けることなくシーズンを終了。これはF1に参戦する4つのPUマニュファクチャラーの中で唯一です。
Honda F1テクニカルディレクターの田辺豊治は、こう振り返ります。
「Honda F1プログラムに関係してくださった全員と、我々の仲間であるRed Bull、AlphaTauriのメンバーに感謝しています。そして、このメンバーたちを支えてくれた家族の皆さまにもお礼を伝えたいです。過去の戦いから学び、信頼性の向上に尽力してきましたが、今季の1ドライバーあたり3基というレギュレーションを守ることができ、PU関連ペナルティーを受けずにシーズンを終えることができました」
さらに、Honda PUは予選での戦いぶりも向上しました。4名のドライバーがのべ68回出走し、そのうち46回でトップ10入り。4台全車のQ3進出は3戦ありました。
また、今季は3名のドライバーが表彰台に登壇し、全ドライバーがトップ4フィニッシュを記録。ピエール・ガスリーはF1キャリア初優勝を飾りました。Red Bull Racingはコンストラクターズランキングで4年ぶりに2位へと返り咲きましたが、Hondaエンジンを搭載したチームとしては、2004年のLucky Strike BAR Hondaが2位となって以来です。
フェルスタッペンはシーズン2勝、ポールポジション1回を獲得し、11回の表彰台登壇を果たしましたが、これはHondaドライバーとして1991年のアイルトン・セナの12回に次ぐ数字です。また、アルボンはキャリア初を含む2回の表彰台登壇。クビアトは第13戦での4位フィニッシュのほか、シーズン最後の3連戦ではすべて予選トップ10入りを果たしました。
「今季はAston Martin Red Bull Racingとともにタイトル争いを目指していましたが、一年を通じてはメルセデスと互角に戦えませんでした。まだまだパッケージの向上が必要なことを痛感しています。その中でも、フェルスタッペン選手の70周年記念GPでの勝利や、ガスリー選手がチームとHondaの50戦目という節目、さらにはホームGPのモンツァで初優勝を飾ってくれたことなど、好結果を残せた部分もあります。発表の通り、HondaのF1での戦いは来年末までとなります。ただ、我々の目標は変わらず、チャンピオン獲得です。パートナーであるチームともにさらなるパフォーマンス向上に取り組み、もっと強くなって戻ってきたいと思います」
Honda F1として最後の1年となる2021年は、暫定カレンダーでは3月21日決勝のオーストラリアGPを皮切りに、12月5日決勝のアブダビGPまで、全23戦が予定されています。
1964年の参戦開始からの表彰台回数は先日のアブダビGPで合計199回となっており、まずは200回目の登壇を目指し、開幕戦に臨みます。