今さら聞けない?鈴鹿8耐の見どころをおさらい
鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)とは、毎年7月下旬から8月上旬ごろ、三重県の鈴鹿サーキットで開催される国内最大級の二輪耐久ロードレースです。1978年から開催され、2020-21年はコロナ禍の影響を受けて中止されましたが、22年に復活。23年大会で44回目の開催を迎えます。
FIM世界耐久選手権(EWC)シリーズの一戦に組み込まれており、シリーズ参戦しているチームは選手権のうちの一戦として、多くのポイントを獲得するべく参戦します。それに加えて、国内メーカーのワークスチームや、全日本ロードレース選手権などに参戦するプライベーターチームが、鈴鹿8耐のためにメンバーを集めてエントリーするのが通例となっています。今年、8耐に向けてワークスチームを結成したのはHondaの「Team HRC with 日本郵便」のみとなりました。
鈴鹿8耐は二輪レース界の「真夏の祭典」とも呼ばれ、毎年多くのファンが鈴鹿サーキットへ駆けつけます。このページでは、鈴鹿8耐の特徴的なルールなどについて、改めておさらいします。
▽どんなレース?
1チーム2名から3名のライダーが1台のマシンをシェア。レース開始から8時間後にチェッカーフラッグが振られるまでに、最も多くの周回数をこなしたチームが優勝となります。過去最高の周回数は、2002年に加藤大治郎/コーリン・エドワーズが記録した219周。周回数はレース展開や路面コンディションに左右されますが、220周の壁を破るチームが現れるのか注目されます。
▽特徴的な予選方式 トップ10トライアルとは
金曜日の午後と土曜日の午前に一回ずつ公式予選が行われ、チーム内の上位2人のベストタイム平均によって順位が決定。11番手以下はここでグリッドが決まります。10番手以内に入ったチームは土曜日午後に行われる「トップ10トライアル」に進み、ここで1~10番手までのグリッド順を決めます。複数台が一斉に走行する通常の計時予選とは異なり、1台ずつ順番に走行してタイムアタックを行うため、サーキットには独特の緊張感が漂います。
▽マシンめがけてダッシュ!ル・マン式スタート
ホームストレートのピットウォール側に予選結果順にマシンを並べ、グランドスタンド側にライダーたちが待機します。スタートの合図とともに、ライダーたちが一斉にマシンへ駆け寄り、エンジンを始動させ飛び出していきます。
由来となったのは四輪の「ル・マン24時間耐久レース」ですが、本家ル・マンでは安全上の理由から70年代に廃止されていて、現在では二輪の耐久レースのみで使われています。