Test
EWC 2025
Round 3

鈴鹿8耐直前テストでHonda HRCが盤石の速さをみせる

jp Suzuka Circuit

7月30日(水)、鈴鹿サーキット(三重県)で「2025 FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会(以下、鈴鹿8耐)」本戦に向けた最後のテスト走行が、全5セッションにわたって行われました。

鈴鹿8耐直前テストでHonda HRCが盤石の速さをみせる

Honda HRCは、テストライダーの高橋巧、ロードレース世界選手権(MotoGP)参戦中のヨハン・ザルコ、スーパーバイク世界選手権(WSBK)参戦中のイケル・レクオーナという布陣で参戦を予定していました。しかし、レクオーナがWSBK第8戦レース1のスタート直後に多重クラッシュで負傷したため、急遽WSBKでレクオーナのチームメートであるチャビ・ビエルゲが代役として参戦することになりました。なお、ビエルゲは、2023年の鈴鹿8耐に高橋、長島哲太と参戦し、優勝しています。そのため、Honda HRCの3人とも優勝経験のある最強のラインナップであることには変わりありません。

松原輝明監督は「当初から、鈴鹿8耐ライダーの候補としてチャビ(ビエルゲ選手)は入っていました。鈴鹿8耐優勝経験もあり、信頼を寄せています。事前テストに参加していないことは、ハンデといえばハンデですが、大きなマイナス要素とは捉えていません。高橋選手とザルコ選手も状況は把握しており、今日のテスト走行は、チャビを中心に進めることを理解してくれました」と語りました。

ビエルゲは、テスト前日の29日(火)にはチームと合流し、ピットインの練習に参加しました。

テスト当日の30日(水)、気温は33℃と発表されましたが、サーキットでの体感温度はさらに高く、強い日差しが降り注ぐ中での走行となりました。

セッション1は9時から10時30分まで行われました。FIM世界耐久選手権(EWC)チームのYART - YAMAHA (ヤマハ)が2分6秒630でトップタイム、2番手にHonda HRC が2分6秒748でつけ、上位2チームが6秒台を記録しました。Team ATJ with docomo business(岩田悟、鈴木光来、國峰啄磨)が2分7秒128で4番手、EWCチームのF.C.C. TSR Honda France(アラン・テシェ、コロンタン・ペロラーリ、羽田太河)が2分7秒748で8番手、SDG Team HARC-PRO. Honda(名越哲平、國井勇輝、阿部恵斗)が2分7秒929で9番手につけ、ここまでが7秒台に食い込む好調な滑り出しをみせました。11番手には2分8秒196でAstemo Pro Honda SI Racing(野左根航汰、荒川晃大、山中琉聖)、13番手は2分8秒381でHonda Asia-Dream Racing with Astemo(ナカリン・アティラットプワパット、アンディ・ファリド・イズディハール、アズロイ・ハキーム・アヌア、モハメド・ザクワン・ビン・ザイディ)、16番手が2分9秒569でHonda DREAM RT 桜井ホンダ(伊藤和輝、日浦大治朗、ジョシュア・ブルックス)でした。

10時45分から12時まで行われたセッション2では、EWCチームのYOSHIMURA SERT Motul(スズキ)が2分6秒559でトップに浮上。Honda HRCは2分6秒872で2番手、Team ATJ with docomo business が2分7秒042で3番手と、Honda勢も上位に食い込みます。7秒台には6チームがひしめきました。10番手にF.C.C. TSR Honda Franceが2分8秒320、12番手にAstemo Pro Honda SI Racingが2分8秒568、13番手にSDG Team HARC-PRO. Hondaが2分8秒601。Honda Asia-Dream Racing with Astemoは18番手で2分9秒901でした。

午前中は、鈴鹿8耐に慣れていないライダーを優先走行させるチームも多く、タイムにバラつきがみられました。さらに赤旗が多く出たため、ロングランが難しい状況が続きました。

13時30分から14時30分まで行われたセッション3では、Honda HRCが2分6秒706で唯一の6秒台をマークし、トップに。EWCチームのF.C.C. TSR Honda Franceは2分7秒474で4番手につけました。8番手にAstemo Pro Honda SI Racingが2分8秒581、9番手にSDG Team HARC-PRO. Hondaが2分8秒699、10番手にTeam ATJ with docomo businessが2分8秒744とHonda勢が続きます。15番手はHonda Asia-Dream Racing with Astemoで2分9秒139でした。

セッション4は14時45分から16時15分まで行われました。Honda HRCは2分5秒645と5秒台に突入し、この日のトップタイムを叩き出しました。6番手にTeam ATJ with docomo businessが2分7秒601、11番手にAstemo Pro Honda SI Racingが2分8秒164、12番手にF.C.C. TSR Honda Franceが2分8秒184、14番手にHonda DREAM RT 桜井ホンダが2分8秒411、17番手にHonda Asia-Dream Racing with Astemoが2分8秒795、18番手にSDG Team HARC-PRO. Hondaが2分8秒829を記録しました。

最後のセッション5もHonda HRCは2分6秒424をマークし、午後の3セッションはすべてHonda HRCがトップでした。5番手にAstemo Pro Honda SI Racingが2分6秒940、8番手にSDG Team HARC-PRO. Hondaが2分7秒158、11番手にF.C.C. TSR Honda Franceが2分8秒142、13番手にHonda Asia-Dream Racing with Astemoが2分8秒288となりました。

午後も赤旗が出る状況は変わらず、ライダーたちはピットへの出入りを繰り返します。また、F.C.C. TSR Honda Franceは3度の転倒があり、マシン修復のため思うように走行ができませんでした。各チームは走行の合間に、タイヤ交換やライダー交代のシミュレーションを行いました。Honda HRC はピットワークの速さでも知られており、ほかのチームが視察に訪れる姿も見受けられました。

Honda HRCは、すべてのセッションにおいてビエルゲの走行時間を確保し、ザルコと高橋はマシンチェックを含めて調整、テストのための走行を行いました。高橋は多くの走行時間を確保していないにもかかわらず、走行ではコンスタントに2分6秒台を記録。ザルコは2分5秒645と総合ベストタイムをマークし、他を圧倒しました。ビエルゲは2分7秒195をベストタイムとして走行を終えています。

今回のテストセッションについて、松原監督は「予定していたメニューはクリアできました。ライバルたちも速いですし、強豪ではありますが、十分に戦えます」と手応えを語りました。


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Takumi Takahashi
Takumi Takahashi 30
Honda HRC
イケルが参戦できなくなったことは残念に思いますが、チャビとも組んで優勝している実績があるので、不安はありません。今日の走行は、チャビに走行してもらうというのが最優先だったので、自分はセッション3で走行せず、ほかのセッションは走りましたがマシンの最終確認という走行でした。まだ理想とするマシンには届いていませんが、ザルコがタイムを出してくれましたし、勝負できるレベルにはあると思います。残りは予選でもっと乗りやすく、疲れずに余裕を持って走れるマシンにできるようにと思っています。

Johann Zarco
Johann Zarco 30
Honda HRC
今年は2度目の鈴鹿8耐なので、昨年以上の走りがしたいと思っています。昨年は初めての8耐だったため、プレッシャーがあったものの優勝できました。今年はヤマハがファクトリーチームで参戦し、ライバルも多く、昨年とはまた違ったプレッシャーを感じる部分もありますが、決勝に向けていい走行ができたと思います。赤旗が多かったこと、ペースの違うライダーをパスしなければならないことで、難しさもありました。しかし、高橋がセットアップしたマシンに乗り、タイムを出せました。チャビとは初めてですが、フィジカルもよくコンスタントな走りをしていたので、全く心配していません。

Xavi Vierge
Xavi Vierge 30
Honda HRC
WSBKで足首をケガしてしまったことで、6月のテストに参加することができなくて、今年のラインナップから外れてしまったことを残念に思っていました。昨年も参戦したいと思っていましたが、WSBKと日程が重なり参加できませんでした。イケルのケガは残念ですが、彼の代役として、しっかり走りたいと思って鈴鹿に来ました。ケガも100%回復しています。マシンもタイヤも、2023年とは違いますが、信頼する高橋選手がセットアップを進めてくれているので、そこにアジャストしています。今日の走行で、テストができていないことの不安もなくなるくらいに走り込めました。ザルコ選手はとても速いライダーですし、チームメートになれたことがうれしいです。この2人から学んで、納得できるライディングがしたいと思っています。 

Alan Techer
Alan Techer 5
F.C.C. TSR Honda France
今日は2回も転倒してしまい、チームには申し訳ないことをしました。それでも、セッティングはいい方向を見つけることができて、バランスも改善しています。金曜日の走行でもセッティングを進めて、決勝への準備を進めます。

Corentin Perolari
Corentin Perolari 5
F.C.C. TSR Honda France
鈴鹿8耐に参加できてとてもうれしいです。今日はチームメートの転倒があり、マシン修復の時間が必要で、6周しかできませんでした。ですが、金曜日に走行時間を確保できると思うので、マシンにもコースにも慣れることができると思っています。しっかり取り組んで、いいレースがしたいと思っています。

Taiga Hada
Taiga Hada 5
F.C.C. TSR Honda France
5月にテストをしており、その時はいいフィーリングで走行できました。しかし、今日のテストはその時とは違い、当然ですが暑く、フィーリングが変わりました。この状況に合わせていろいろな仕様のマシンを試しました。ペースは悪くなかったのですが、最後に転倒してしまい、チームには申し訳なく思っています。それでも、よくなってきているので、金曜の予選に向けて気持ちを切り替えていきます。 

Teppei Nagoe
Teppei Nagoe 73
SDG Team HARC-PRO. Honda
自分と阿部選手は、前回のテストで方向性も見えており、ロングランもできていたので、まずは國井選手の走行を優先しました。その中で、3人にとってのいいセッティングの方向性が最終的に見えてきたので、いいテストができました。

Yuki Kunii
Yuki Kunii 73
SDG Team HARC-PRO. Honda
前回のテストから時間が空いてしまったので、1000ccマシンに慣れることからスタートしました。 自分が参加した1回目のテストの時は涼しかったのですが、今回は気温も路面温度も上がり、そこへ順応しながらセットアップを進めました。3人のセットアップへの意見は一致しているので、方向性が見えてきました。

Keito Abe
Keito Abe 73
SDG Team HARC-PRO. Honda
前回のテストから間が空いていたので、 EWC仕様のフィーリングを思い出しながら乗り始めました。 ただ、かなり暑くなったために、調整が必要でした。 名越選手と國井選手と相談しながら、大きく変更した点も多かったですが、ある程度まとまったと思います。

Nakarin Atiratphuvapat
Nakarin Atiratphuvapat 88
Honda Asia-Dream Racing with Astemo
今日のテストで午前中はバイクのフィーリングがよく、2分8秒5のラップタイムを記録することができました。午後は気温が上がりアタックには厳しいコンディションとなり、ロングランを行いました。金曜日の走行でも決勝レースに向けてマシンを改善していきます。

Azroy Hakeem Anuar
Azroy Hakeem Anuar 88
Honda Asia-Dream Racing with Astemo
今日のテストには満足しています。マシンセッティングが進み、ラップタイムもよくなりました。金曜の予選ではよいタイムにつなげ、TOP10を狙います。

Md Zaqhwan Bin Zaidi
Md Zaqhwan Bin Zaidi 88
Honda Asia-Dream Racing with Astemo
まずは、この機会を与えてくれたチームに感謝します。今日のテストはマシンに慣れることから始めました。3人のライダーが同じフィーリングを持っていることでライディングに集中できます。さらにマシンを煮詰めて、金曜の予選と日曜の決勝に臨みます。


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