ジェット・ローレンスがデイトナSX優勝者リストに名を刻む
・450SXのルーキーが伝説的な大会でHondaに18勝目をもたらす
・ハンター・ローレンスはクラッシュしてリタイア
・チャンス・ハイマスは転倒と不運によって250SXイースト15位に
シリーズの折り返し点に差しかかったAMAスーパークロス選手権(AMA-SX)、第8戦の舞台はフロリダ州デイトナビーチ。独特な雰囲気に満ちたスピードウェイに特設されたコースで、ジェット・ローレンス(Team Honda HRC)は力強いパッシングを披露し、独走の末に勝利を確かなものにしました。この会場の長い歴史とライダーの力量が問われるコースの難しさを思えば、デイトナでの勝利には重要な意味があります。今回のJ.ローレンスの場合は特に印象的で、250から450にステップアップした1年目にしてデイトナを制覇しました。この活躍が示しているのは、先週のアーリントンSXでトップ争いをしながら、最終ラップの転倒で脱落した一件から彼が大事な教訓を得たことです。オーストラリア出身の20歳、J.ローレンスは、混戦が続く今シーズンにおいて3勝目を挙げた最初のライダーとなり、タイトル争いにおけるリードを10ポイントに広げました。
450SXのメインレースでは、J.ローレンスがサイティングラップで泥だらけになったリアタイヤを交換した際、タイヤカバーの取り外しが遅れたため、スタート前に必要以上の緊張を強いられました。それでもJ.ローレンスは、兄のハンター・ローレンス(Team Honda HRC)に続き、第1コーナーを6番手でクリア。1周目が終了した時点でJ.ローレンスは3番手に浮上し、4周目までそのポジションを維持しました。その後、J.ローレンスはリズムセクションで4個まとめて飛び越すジャンプ「クワド」を駆使しながら、イーライ・トマック(ヤマハ)を抜き、続くコーナーでチェイス・セクストン(KTM)もパスしました。トップに躍り出たJ.ローレンスは、後続よりも1~2秒速いラップタイムを刻みながら、決定的な独走態勢を確立しました。一時は10秒以上のリードを蓄えましたが、最終的には6秒近くの差でJ.ローレンスが優勝。彼に続いたレッドライダーは、8位のディラン・フェランディス(Phoenix Racing Honda)でした。H.ローレンスは序盤の激しい転倒により、肩を痛めてリタイアしました。この記事が書かれた時点では、H.ローレンスはMRI検査の結果を待っています。
250SXのメインレースでは、チャンス・ハイマス(Team Honda HRC)がスタートでトップ10圏内につけ、1周目をクリアするころには7番手まで浮上しました。そこからは1周ごとにポジションを上げて5番手になりましたが、その直後の転倒でタフブロック(クラッシュパッド)にスタックして後方集団まで脱落。最終的にハイマスは、15位でレースを終えました。一方、ランキング首位のマックス・アンスティ(FirePower Honda Racing)は、1周目10番手からばん回して8位でフィニッシュ。250SXイーストにおけるチャンピオン争いで、僅差のポイントリードを維持しています。
NOTES
・昼過ぎから実施された計時予選では、降雨のため2回目のセッションが中止され、1回目のタイムが採用されることになりました。450SXではJ.ローレンスが5番手、H.ローレンスが10番手。250SXではハイマスが8番手となるタイムを記録しました。
・ハイマスは250SXヒート1に出走し、スタートで4番手につけました。一時は7番手に後退したものの、3位までばん回してチェッカーを受けました。ヒート2ではアンスティが初のトップフィニッシュを果たし、決勝レースに駒を進めました。
・ローレンス兄弟は、別々のヒートに出走しました。H.ローレンスは、スタート6番手から5番手に浮上しましたが、最終ラップでのミスにより7位でチェッカーを受けました。J.ローレンスは、ヒート2の第1コーナーで5番手でしたが、先行する4台を抜き去りトップチェッカーを受けました。
・J.ローレンスの勝利により、Hondaはデイトナでの最高峰クラス(2スト250・4スト450)優勝記録を18勝とし、全マニュファクチャラーのトップに立ちました。
・J.ローレンスには、2022年の250SXで優勝経験があるので、デイトナでの勝利はこれが2度目となります。また、H.ローレンスは昨年のデイトナ250SXで優勝しています。
・J.ローレンスとアンスティは、そろってレッドナンバープレートを守り、シリーズランキング首位を誇示しました。J.ローレンスはポイントリードを3点から10点に広げましたが、アンスティは1点差を守っています。
・次戦の舞台はアラバマ州バーミングハム。郊外のタラデガ・スピードウェイでスーパークロスが行われた歴史がありますが、ダウンタウンのプロテクティブ・スタジアムでは初開催となります。
HRC公式Instagramで最新情報をチェック!
https://www.instagram.com/hondaracingcorporation/
250SX East Standings
Pos. | Rider | Num. | Team | Constr. | Pts |
---|---|---|---|---|---|
1 | Max Anstie | 37 | FirePower Honda Racing | Honda | 52 |
2 | Cameron Mcadoo | 63 | Monster Energy Pro Circuit Kawasaki | Kawasaki | 51 |
3 | Pierce Brown | 39 | Troy Lee Designs Red Bull Gas Gas | GASGAS | 51 |
4 | Tom Vialle | 16 | Red Bull KTM Factory Racing | KTM | 49 |
5 | Haiden Deegan | 38 | Monster Energy Star Racing Yamaha | Yamaha | 49 |
6 | Coty Schock | 69 | Muc-Off/FXR/ClubMX | Yamaha | 48 |
9 | Henry Miller | 65 | Tilube SLH Honda Racing | Honda | 37 |
11 | Chance Hymas | 48 | Team Honda HRC | Honda | 34 |
17 | Trevor Colip | 174 | TiLube Honda Racing, TiLube Oil, Rival SuspensionE, SSR | Honda | 11 |
19 | Luca Marsalisi | 86 | TiLube Honda | Honda | 10 |
20 | Izaih CLARK | 682 | Lasting Impressions LLC |
Honda | 10 |
25 | Ryder Floyd | 296 | TiLube Honda | Honda | 6 |
28 | Tyler Stepek | 177 | RRG | Honda | 3 |
29 | Cullin Park | 58 | Phoenix Racing Honda | Honda | 2 |