SUPER GT

【2021シーズンプレビュー】昨季チャンピオンの山本/牧野組を筆頭にHonda勢が連覇を狙う

SUPER GT GT500クラスでは昨年より新しい車両規則『Class 1+α』が導入されました。その新規定にもとづき、FRレイアウトに大変身したNSX-GTは、新型コロナ禍の影響で十分な実戦準備ができないままシーズン開幕を迎え、本来は開幕前に済ませておくべきマシンの熟成を、実際のレースの中で進めることとなりました。そのため例年とは異なる苦労もありましたが熟成を順調に進めることができ、NSX-GTはシリーズ全8戦中、半分にあたる4戦で勝利。#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がシリーズチャンピオンを獲得するに至りました。

【2021シーズンプレビュー】昨季チャンピオンの山本/牧野組を筆頭にHonda勢が連覇を狙う
昨季チャンピオンを獲得した#100 RAYBRIG NSX-GT 山本/牧野組、高橋国光監督
昨季チャンピオンを獲得した#100 RAYBRIG NSX-GT 山本/牧野組、高橋国光監督

例年であれば、シーズン終了後すぐに翌シーズン開幕へ向けて準備が始まります。ところが、昨年はコロナ禍によって年間スケジュールが大幅に見直されて最終戦が11月末にずれ込んだ一方で、2021年シーズンはほぼ例年通りのスケジュールで開幕するため、シーズンオフの開発に使える時間は決して多くはありませんでした。この厳しい条件の中、開発陣は昨年の実戦を通して蓄積した知見をもとに、限られた時間を有効に使ってNSX-GTの各部を磨き上げ、完成度を高めて開幕を迎えます。


3月上旬、開幕戦の舞台となる岡山で行われた公式テストの様子
3月上旬、開幕戦の舞台となる岡山で行われた公式テストの様子

#100改めチャンピオンナンバー#1をつけることになるSTANLEY NSX-GTは、昨年のチャンピオンコンビである山本尚貴と牧野任祐で挑みます。ただし、牧野は昨年来の体調不良が長引いているため、念のため開幕戦では代役としてベテランの武藤英紀が山本のパートナーを務めます。これまでTEAM MUGENでNSX-GTの開発を続けてきた武藤は豊富な経験をもとに、山本とチャンピオンカーを操ることになります。



#8 ARTA NSX-GTは、昨年から引き続き野尻智紀と福住仁嶺が走らせます。昨年は1勝を挙げシリーズランキング5位にとどまったものの、予選では3度のポールポジションを獲得するなど、その速さは誰もが認めるチームです。今年はそのスピードを決勝結果に結びつけシリーズチャンピオンが欲しいところです。



#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは、長年にわたってエースを務めてきた武藤に代わり、今年から大湯都史樹が加わって笹原右京のパートナーとなります。「勝負強い笹原」と「一発の速さに定評のある大湯」のコンビはSRS-F(鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラ)の同期。今年から新たにダンロップタイヤを使用しますが、3月の岡山公式テストではいきなり総合トップタイムをたたき出すなどライバルからも警戒される存在です。



#17 Astemo NSX-GTは新たなスポンサーを得て、昨年まで見慣れた青いボディを赤いボディへと変更して今季に臨みます。ドライバーは昨年と同様のラインアップで、実力派の塚越広大/ベルトラン・バゲットが務めます。昨年は2勝を記録してチャンピオン争いに加わっただけに、「今年こそは頂点に!」と気勢が上がります。



#64 Modulo NSX-GTを操るのは昨年から引き続き伊沢拓也と大津弘樹です。昨年は2度のポールポジションを獲得し、第7戦もてぎでは2位表彰台に立ちました。同チームは長年、ダンロップタイヤで孤軍奮闘してきましたが、今年は#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTと共闘して、結果が求められるシーズンとなります。



昨年は年間スケジュールが見直された結果、シリーズ8戦中4戦が富士スピードウェイで開催されるという特殊な日程となりましたが、今シーズンは岡山国際サーキットで開幕し、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎ、スポーツランドSUGO、オートポリス、ツインリンクもてぎ、富士スピードウェイと、例年どおり全国各サーキットの転戦が予定されています。NSX-GT開発陣はこのスケジュールと競技規則にもとづき、エンジン/シャシーを最適化してシーズンに挑みます。

2021年シーズンは4月10日から11日、岡山国際サーキットで開幕予定です。シリーズ2連覇を目指して発進するHonda Racingに、昨年同様の熱い声援をいただけると幸いです。



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